古い実家は「古いから売れない」ではない——旧東海道 見付宿で、古さを魅力に変えて売る
- ひろゆき 大石
- 6月12日
- 読了時間: 6分
相続した実家が「古い家」だと、つい「これでは売れないのでは」「価値なんてないだろう」と思い込んでしまう方は少なくありません。けれども、ここ磐田市の見付は、旧東海道の宿場町として歩んできた歴史あるまち。古い家には、新しい家にはない趣と物語があります。今回は、相続した古い実家を「古いから売れない」と諦める前に、見付という土地の文脈とあわせて「魅力」に変えて売るという考え方を、地域密着の不動産会社の視点でご紹介します。
見付という土地の物語——「古さ」はマイナスではない
見付は、かつて遠江国(とおとうみのくに)の国府が置かれた「遠江国はじまりの地」です。近世には東海道五十三次の28番目の宿、見付宿として栄え、中世には東海道屈指の規模を持つ宿場町でもありました。旧東海道沿いには、いまも当時のまちの記憶が残っています。
その象徴のひとつが、旧見付学校です。1875年(明治8年)に建てられた擬洋風建築で、現存する日本最古の木造擬洋風小学校校舎として、国の史跡に指定されています。古いものを大切に残し、活かしてきた——見付には、そんな土地柄があります。
だからこそ、見付やその周辺の古い家には、宿場町の風情や落ち着いたまちなみという「背景」がついてきます。同じ築年数の家でも、どんな土地に建っているかで、家の見え方は変わります。「古い」は、必ずしもマイナスではないのです。
古い家が、いま見直されている理由
ここ10年ほど、住宅の世界では新築から中古へという流れが進んできました。リノベーションの市場が広がり、古い家を自分好みに直して住む、という選択肢が当たり前になりつつあります。
なかでも需要に対して供給が追いついていないのが、リノベーション向きの一戸建てです。古い家を、間取りや設備を現代の暮らしに合わせて直して使いたい——そう考える買い手は、確実に増えています。広い土地、しっかりした柱や梁、趣のある建具。新築では得にくいこうした要素は、リノベーションを前提にする人にとってはむしろ魅力になります。
つまり、相続した古い実家は「古いから売れない」のではなく、「その魅力を、求めている人にきちんと届けられるか」が分かれ目なのです。
「古い実家」を価値に変える3つの工夫
古い家ほど、買い手は「見えない不安」を抱きます。その不安をやわらげる工夫が、価値を引き出す鍵になります。代表的な3つをご紹介します。
ひとつめは、建物状況調査(インスペクション)です。建築の専門家に家の傷み具合を見てもらい、状態を見える化します。中古住宅の売買では、不動産会社がこの調査について買主・売主に説明することが義務づけられており、調査結果があると、買い手は安心して検討を進めやすくなります。
ふたつめは、既存住宅売買瑕疵(かし)保険です。これは任意の制度ですが、引き渡し後に見つかった不具合の修理費を保険でカバーできる仕組みで、買い手の安心につながります。加入には専門家の検査が必要で、費用の目安はおおむね5万〜10万円程度。劣化が著しい家では加入できないこともあるため、早めの確認がおすすめです。
みっつめは、旧耐震基準の家への備えです。1981年(昭和56年)以前の古い基準で建てられた家は、買い手から耐震面を心配されがちです。建築士の耐震診断を受け、基準を満たしていると確認されれば「耐震基準適合証明書」を取得でき、これがあれば買い手が住宅ローン控除を利用しやすくなります。古い家ほど、こうした一手間が売りやすさを左右します。
古さを活かす「売り方・伝え方」
古い実家を売るときに大切なのは、欠点を隠すことではなく、魅力をきちんと言葉にして伝えることです。
たとえば、太い梁や欄間(らんま)、縁側や土間、手入れの行き届いた庭。こうした要素は、新築を探している人には響かなくても、古民家らしさやリノベーションを楽しみたい人には強く響きます。見付のように、旧東海道のまちなみや落ち着いた住環境という背景があれば、それ自体が物件の物語になります。
逆に言えば、誰に届けたいかを決めずに「とりあえず売り出す」と、古い家の良さは埋もれてしまいます。リノベーション前提の買い手なのか、そのまま住みたい人なのか、店舗や事務所として使いたい人なのか。届けたい相手に合わせて見せ方を変えることが、古い家を「魅力」として売るコツです。
磐田・見付で、古い実家の売却を考える方へ
私たち富士ヶ丘サービスは、磐田市見付を拠点に、介護・相続・空き家に向き合ってきた地域密着の不動産会社です。地元のまちなみや買い手のニーズを肌で知っているからこそ、「この家なら、こういう人に響く」という現実的な見立てをお出しできます。
古い実家の売却では、建物の状態の確認、必要に応じたインスペクションや瑕疵保険・耐震の備え、そして相続税や譲渡の税金まで、考えることがいくつも重なります。相続した空き家を売る場合には、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例(被相続人の居住用財産の特例)もあり、適用できるかどうかで手取りが大きく変わります。こうした出口の選択肢を、片づけや売り方とあわせて一つの窓口で整理できるのが、私たちの強みです。
「古いから無理だろう」と決めてしまう前に、まずはその家の良いところを一緒に探すところから始めませんか。見付の古い家には、まだ気づかれていない価値が眠っていることが少なくありません。
まとめ
相続した古い実家は、「古いから売れない」のではなく、「魅力を、求めている人に届けられるか」で結果が変わります。遠江国の国府が置かれ、東海道の宿場町として歩んできた見付には、古いものを活かしてきた土地の物語があります。中古・リノベーションの需要は高まっており、建物状況調査(インスペクション)、既存住宅売買瑕疵保険、耐震基準適合証明書といった工夫で買い手の不安をやわらげれば、古い家も十分に売れる時代です。大切なのは、欠点を隠すのではなく、その家ならではの趣や立地を、届けたい相手に合わせて伝えること。磐田市・見付で古い実家の売却にお悩みの方は、まず「価値さがし」からお気軽にご相談ください。
※本記事の制度・税の内容は2026年6月時点の一般的な情報です。インスペクションや各種保険・税の特例の適用可否は、物件の状態や個別事情により異なります。最終的な判断は、不動産会社の調査や税理士・税務署にご確認ください。
参考情報(出典)
磐田市観光協会「旧見付学校」 http://kanko-iwata.jp/tanoshimu/tanoshimu-298/
磐田市観光協会「遠江国はじまりの地 磐田に刻まれた歴史をたどる旅」 https://kanko-iwata.jp/plans/history/
国土交通省「既存住宅状況調査(インスペクション)・安心R住宅」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000125.html
国土交通省「既存住宅売買瑕疵保険」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr3_000037.html
国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
富士ヶ丘サービス株式会社/静岡県磐田市見付5789番地1/TEL 0538-31-3308(平日9〜18時)/免許 静岡県知事(2)第14083号/公益社団法人 全日本不動産協会・公益社団法人 不動産保証協会・公正取引協議会加盟事業者/公式サイト https://www.fujigaoka-service.co.jp/ ・ https://www.fujigaoka-service.info/fudosan /ご相談無料。
コメント