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見付の評価が上がったのに、中泉は?──磐田市の地価を見付と中泉で読み解く

磐田市の地価のニュースを見て、「見付の土地が上がったらしい」と耳にされた方もいらっしゃるかもしれません。実際、国土交通省の取引データを見ると、見付エリアの土地相場はこの1年で大きく動いています。では、同じ磐田市の中心でも、磐田駅前にあたる中泉はどうなっているのでしょうか。「見付が上がったなら、うちの中泉の実家も上がっているはず」と考えてよいのか。今回は、見付と中泉という磐田市を代表するふたつのエリアの地価を、公的なデータをもとに落ち着いて並べてみます。相続した実家や空き家をお持ちの方が、わが家の「現在地」を考えるきっかけになればと思います。

「見付が上がった」とは、どういうことか

まず、よく言われる「見付が上がった」の中身です。

不動産の取引価格データ(国土交通省の成約事例をもとにした集計)によると、2025年の見付の土地相場は1坪あたりおよそ20.6万円(1平方メートルあたり約6.2万円)でした。これは1年前と比べて、率にしておよそプラス29%という大きな伸びです。磐田市全体の平均がおよそ16.3万円/坪、伸び率がプラス8.7%ほどですから、見付の上がり方は市内でも目立っていることになります。

見付は、旧東海道の宿場町として栄えた歴史あるまちで、市役所や行政機関にも近い、磐田市の中心のひとつです。住宅地としての人気に加えて、比較的ゆったりした区画の取引が増えたことや、これまでが割安だった反動もあって、数字の上では大きく動いたと見られます。

では、中泉はどうなのか

次に、ご質問の中泉です。

同じ取引データで見ると、2025年の中泉の土地相場は1坪あたりおよそ21.5万円(1平方メートルあたり約6.5万円)。1年前と比べた伸び率は、およそプラス2.8%の小幅な上昇でした。

「見付は29%も上がったのに、中泉は3%弱しか上がっていないのか」と読むと、少し意外に感じられるかもしれません。けれども、ここで大切なのは伸び率だけでなく、もともとの水準のほうです。

中泉は磐田駅のすぐ北側に広がる、商業と利便の中心です。取引のあった土地の駅からの距離は平均でおよそ8分。磐田市内でいちばん地価が高い地点(中泉地内の商業地)もこのエリアにあり、その価格は1平方メートルあたり10万円を超えます。直近3年の平均で見ると、中泉の土地相場は磐田市平均をおよそ36%上回っています。見付の、市平均より約19%高いという水準と比べても、中泉のほうが一段高い水準を保っているのです。

つまり、中泉は上がっていないのではなく、もともと高い水準で底堅く安定している、というのが実態に近いと言えます。見付は割安だったぶん上昇が目立ち、中泉は高値圏でゆるやかに推移している、という性格の違いです。

ふたつのエリアの性格の違い

数字の背景には、まちの成り立ちの違いがあります。

中泉は、磐田駅前の商業地・利便重視のエリアです。駅やお店に近い暮らしやすさが価格を支えており、近年は徒歩6分未満の駅近の土地取引が増えているのも特徴です。買い手は、利便性やお店への近さを重視する層が中心になりやすいエリアです。

見付は、旧宿場町のたたずまいと、落ち着いた住宅地・行政エリアとしての性格を併せ持ちます。駅からはやや距離がありますが、学区や住環境を重視するご家族に選ばれてきました。同じ磐田市の中心でも、買い手が求めるものが少し違うわけです。

この違いは、相続した不動産を売るときの売り方にも関わってきます。中泉の駅近なら利便性を、見付なら住環境や区画の良さを、それぞれ伝えたい相手にきちんと届ける。エリアの性格に合った見せ方をするかどうかで、結果が変わることは少なくありません。

数字を読むときに、気をつけたいこと

ここまでの数字は、あくまで実際の取引事例を集計した相場の目安です。読むときには、いくつか注意したい点があります。

ひとつは、取引の件数が多くないことです。見付も中泉も、1年間の集計対象は十数件ほど。そのため、たまたま広い土地や条件の良い土地が多く売れた年は、平均が大きく動いて見えることがあります。前年比プラス29%といった数字も、勢いそのものというより、取引された土地の中身(駅からの距離や広さ)の変化を映している面があります。

もうひとつは、ここで使った取引相場と、税金の計算に使う路線価や、毎年公表される公示地価は別物だということです。たとえば相続税の評価に使う路線価は、公示地価のおおむね8割が目安とされています。同じ土地でも、どの指標で見るかによって金額は変わります。

ですから、新聞やネットの平均の数字だけで、ご自身の土地の価値を判断するのは早計です。同じ中泉でも、駅からの距離、土地の形、道路との接し方ひとつで価格は変わります。本当の現在地は、その土地そのものを見て初めて分かります。

相続した実家・空き家をお持ちの方へ

私たち富士ヶ丘サービスは、磐田市・袋井市を中心に、介護・相続・空き家に向き合ってきた地域密着の不動産会社です。単に高く売りましょうとお伝えする会社ではなく、相続した実家や、施設入居後に空いたご実家について、ご家族と一緒に考える相談窓口でありたいと思っています。

地価が動いている今は、わが家の現在地を知るには、ちょうど良いタイミングです。中泉のように駅前で底堅いエリアなのか、見付のように住環境で選ばれるエリアなのか。場所によって、売り方も、ふさわしい価格の付け方も、買い手の顔ぶれも変わります。地元でずっと取引を見てきたからこそ、この場所ならこういう方が買い手になりやすい、という現実的な見立てをお出しできます。

大切なのは、上がっているらしいから急いで売ることではありません。まずは現在地を正しく知り、介護や相続、税金、残置物の片づけまで含めて、ご家族が困らない形を一緒に整理していくことです。

まとめ

「見付の評価が上がったのに対して、中泉は?」というご質問に、データで答えるとこうなります。見付は取引相場で前年比およそプラス29%と大きく動き、いま1坪あたり約20.6万円。一方の中泉は前年比プラス2.8%と小幅な上昇ですが、1坪あたり約21.5万円と水準そのものはむしろ見付より高く、磐田市内でも最も地価の高い地点を抱える底堅いエリアです。中泉が伸びていないのではなく、もともと高い水準で安定している、というのが実情に近い見方です。

とはいえ、これは市全体のならした数字。ご自身の土地が実際にいくらになるかは、その場所と条件を見てみないと分かりません。相続した実家や空き家のことで、うちはどうなのだろうと気になったら、売る・売らないを決める前の段階で構いません。話を聞いてみたい、現在地だけ知りたい、というご相談こそ歓迎です。磐田市・袋井市で、お気軽にお声がけください。

※本記事の地価・相場の数値は2026年6月時点で確認できる公的データ(国土交通省の不動産取引価格情報、公示地価等)に基づく目安です。個別の土地の評価や税務上の取り扱いについては、必ず不動産会社の査定や税理士・税務署にご確認ください。

参考情報(出典)

  • 国土交通省「不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報)」 https://www.reinfolib.mlit.go.jp/

  • 国土交通省「地価公示」 https://www.land.mlit.go.jp/landPrice/

  • 国税庁「路線価図・評価倍率表」 https://www.rosenka.nta.go.jp/

  • ウチノカチ「見付の土地価格相場(磐田市)」 https://utinokati.com/details/land/place/22211-U0142/

  • ウチノカチ「中泉の土地価格相場(磐田市)」 https://utinokati.com/details/land/place/22211-U0023/

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